
kiss & cry
第15章 xA not REC-xmas EVE
N side
突然、相葉くんの声が近くで聞こえて。
なんで?って思うには
目の前の人物が怪しすぎる。
少し顔を上げると、
また悪魔の顔した佐々倉さんが目の前にいた。
N「騙したな・・・・。 」
今日何回目だ。
佐「んふ、騙してないって。
王子様が勝手に現れちゃっただけ。」
いつからどこから聞かれてた?って焦る俺を
佐々倉さんが引き剥がそうとするから
こっちだって必死だ。
この状況でどんな顔して
相葉くんと向き合えばいいんだよ!
ギュムギュムと佐々倉さんに引っ付いていると、
さっきよりずっと近くで「二宮くん!」と
俺の名前が呼ばれ、同時にフワッと
後ろから抱きしめられた。
一瞬の隙を見て逃げた佐々倉さん。
あっという間に訪れた静寂。
どきどきどきどき、と鼓動がうるさい。
ギュッと力の入った腕。そののちに
ハァーーーーー、と
耳元に落とされる相葉くんの長い溜息に、
ビクッと体が揺れてしまう。
A「あ、ごめん、あの、今の!違うから!」
よく分からない言い訳をする相葉くんに
またしても負の感情がぐるぐると襲いかかる。
A「二宮くん、俺の話…聞いて?」
耳元に響く相葉くんの優しい声。
・・・だけど、あいにく今の俺は
それを受けてたつほどの
HPを持ち合わせていない。
N「…ごめん・・・さっきの、忘れて? 」
A「・・・は?」
N「気持ち悪いこと言って・・・」
じんわりと涙まで溢れてきて、
かっこ悪いのはもうどうしようもない。
N「っ、ごめん、なさい・・・、」
