ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第11章 伯爵と花嫁
落ち着いたアレキサンダーを見て――――…私は気になっている事を聞くことにした…
「アレク…私――――…知らないことばかりで…聞いてもいい?」
私の真面目な顔につられたか――――…アレキサンダーもフッと真面目な顔になる
「あぁ…全て答えるよ――――…何でも聞いてくれ」
私は“ありがとう”と頭を下げると、深呼吸した
「――――…先ずは…私は…誰なの?」
先ずは――――…ここから…
私は自分が何者なのか分からない…
それが今は一番怖いのだ
「“誰なの”――――…か…凄い質問だな…
だが、そうだな――――…確かに…そこをハッキリさせておこう
君は――――…“近藤 すみれ”…3才の時に叔父の施設に売られた――――…実の両親によって…」
――――“近藤 すみれ”
私はその名前にストン…と自分が落ち着いた…
あぁ…私は…“近藤 すみれ”だったんた…
しっくりこない“有森”の性に…何度も苦しんだ
でも、今聞かされた“近藤”と言う性は――――…私にはピタッとはまるものがあった
「私は――――両親に売られたんですか?」
「あぁ…すみれの両親は二人揃ってギャンブルが好きで多額の借金をしていてね…
3才の娘を汚いオヤジ達の慰めものとして稼ぐかって所まで追い詰められていたんだ――――…
そんな時…施設に数百万の現金で娘を売らないか?って話を持ちかけられて……二つ返事ですみれを施設に売ったそうだ――――」