ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第11章 伯爵と花嫁
「――――そこで私は…」
「あぁ…私の叔父のマクギャレットの施設に入った――――」
私にはその記憶がないが…アレキサンダーがそう言うのだ…信じよう
「そこの施設は――――…何を実験していたの?」
私は真っ直ぐにアレキサンダーの目を見つめた
「……自分の手で吸血鬼を作ろうと…していた」
――――…私の体に半分入っていると言う…吸血鬼の血…
そこから、何となくではあるが予想はしていた…でも――――…なんのなめに?
「…吸血鬼って――――…ほら、人を噛めばその人が吸血鬼になるんじゃないの?」
「すみれ様…それは、物語だけの話ですよ~…
実際に、吸血鬼は吸血鬼との間にしか純血種は生まれません!
しかも!人種が少ない上に女の吸血鬼は滅多に産まれないし、産まれても子供を産める歳になるまで何千年ってかかる場合もあるんです!
そりゃぁ…人種が減るのも無理はないし、年頃の女吸血鬼がいたら取り合いになるのも頷けます!」
ピノ彦君が空になったティーカップに新しい紅茶を注ぎながらため息をつく