
ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第13章 伯爵と叔父
「昔し、山菜採りに山に入って熊に襲われてしまって――――…頭からザックリやられてしまったんです!
瀕死の僕を助けてくれたのが、翠様の弟である蓮様でした――――…
吸血鬼の血は治療にも使われていた時代もあり…緊急処置として輸血をしてくださったんです!
で、輸血に成功して頭からザックリやられた傷も治ったので村に帰ったのですが…
子供の体のまま成長しない僕は…村には居られなくなり…アレキサンダー様の元に来たって訳です!
あ!ちゃんと蓮様の記憶も引きついでいたのでアレキサンダー様のお世話係りに任命されたって訳です!」
「え――――…じゃぁ…ピノ彦君も…人工吸血鬼?!」
「はい!定期的にアレキサンダー様から血を頂いてました!人工吸血鬼は吸血鬼の血がないと…生きていけません」
ピノ彦君の謎は解けたが…
こんなので…野村の執着が消えるだろうか…
「――――…な…なんと…完璧な人工吸血鬼がいたなんて!
しかも――――!翠様の弟でもある…蓮様の…血で!?
なんと――――!我らの父よ!!」
――――…あ……ぁ…いいんだ…野村…あの執着はなんだったんだよ!
しょせん…“死”を覚悟していた吸血鬼の血と…
“生”を意識した吸血鬼の血では…
生きる方を選択した血が――――…何物にも勝るって訳か?
え――――…こんな解釈でいいの?
