テキストサイズ

and you

第2章 not yet  S×O





N side




「ふたりとも素直じゃないなぁ。」


大野さんのマンションを出て、
相葉さんの家に向かう。

何だか今日は歩きたい気分で、
20分ほどの距離をゆっくりと進んだ。
それでも足がこんなに軽いのは、
幸せをおすそわけしてもらったからだろう。





「ただいまー。」
「おかえり。」


玄関を開けると、当たり前のように
腕を広げて待っている愛しい人。

俺も当たり前のように腕に収まると、
ポンポンと頭を撫でられて嬉しくなる。


「何か今日ご機嫌だね。」
「そう?」
「うん。いつも可愛いけど、今日は
 一段と可愛い顔してる。」


ムニっと頬を引っ張って楽しそうに笑う
相葉さんに、今日のことを話した。

初めはニコニコ聞いてた相葉さんだけど、
だんだんと顔が険しくなって、話が終わる
ころにはムスッとした顔になってる。


「…相葉さん?怒ってる?」
「怒ってる。」


そういうと、俺をひょいっと
お姫さま抱っこで抱き抱える。


「ええ!ちょ、何で!?」
「そんなにニコニコした顔で、
 大ちゃんとくっついて翔ちゃんにヤキモチ
 妬かせる作戦聞かされて、彼氏が
 いい気持ちになるわけないじゃん。」


下から見上げた相葉さんは、
悔しいくらいに格好よくて。

ぽーっと見惚れてると、
ぽいっとベッドの上に放り投げられた。


「ちょ、明日仕事!」
「ダメ、お仕置き。」


口ではダメなんて言ってみるけど、
本当はね、嬉しいんだ。

俺に向けられた相葉さんの独占欲。
いつもニコニコして優しい相葉さんの
真っ黒な部分が見られるから。


ヤキモチを妬かせたくて、
話をしたのは内緒にしとこ。



-end-

ストーリーメニュー

TOPTOPへ