ギムレット
第15章 アンジェロ 好奇心
その日のカサブランカは、客の入りも悪く暇な一日だった。
午後9時30分、八代たちが店の入り口のドアを開けた。
店長の西山が初めて来店する八代たち5人を歓迎し店内に案内すると、「ご指名の子はいらっしゃいますか?」と尋ねた。
八代は「髪が腰まである綺麗な子いましたよね?ちょっとこのビルのエレベーターで会ったことあって一目惚れしちゃって……」と、本当は顔も見たことのない女を想像しながら嘘を吐いた。
5人に緊張が走った。
「メグさんですね。かしこまりました」西山は笑顔で答えると席を一旦離れた。
まず第一歩の緊張感から解放された八代がホッと溜息をついた。
「本当にいましたね」保が八代に小声で言った。
八代たちの席にメグが近寄る。席に近づいてくる彼女を5人が凝視してみた。
「いらっしゃいませ。ご指名ありがとうございます」
メグが挨拶して、八代の隣の席に腰かけた。5人の10個の目がメグに注がれる。
いい女だ。
5人の頭の中は、この女を拉致って尚樹さんのもとに届けること。そしてそれを成功させなければ、自分たちに明日の命はない。その考えで埋め尽くされていた。
午後9時30分、八代たちが店の入り口のドアを開けた。
店長の西山が初めて来店する八代たち5人を歓迎し店内に案内すると、「ご指名の子はいらっしゃいますか?」と尋ねた。
八代は「髪が腰まである綺麗な子いましたよね?ちょっとこのビルのエレベーターで会ったことあって一目惚れしちゃって……」と、本当は顔も見たことのない女を想像しながら嘘を吐いた。
5人に緊張が走った。
「メグさんですね。かしこまりました」西山は笑顔で答えると席を一旦離れた。
まず第一歩の緊張感から解放された八代がホッと溜息をついた。
「本当にいましたね」保が八代に小声で言った。
八代たちの席にメグが近寄る。席に近づいてくる彼女を5人が凝視してみた。
「いらっしゃいませ。ご指名ありがとうございます」
メグが挨拶して、八代の隣の席に腰かけた。5人の10個の目がメグに注がれる。
いい女だ。
5人の頭の中は、この女を拉致って尚樹さんのもとに届けること。そしてそれを成功させなければ、自分たちに明日の命はない。その考えで埋め尽くされていた。