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ギムレット
第17章 アイ・オーブナー 運命の出会い
俺の親はクズだった。
俺をいたぶるのが好きだった。
まだ力も抵抗もできない無力な俺を、風呂場の水に頭ごと突っ込んで沈めて、意識が飛ぶ寸前に水から頭を持ち上げると、酸素を求めて必死に生にしがみつこうと息をする俺を見て笑ってた。
あいつらは「水責めの刑」といっていた。
食事を与えずに、自分たちの食事風景を側で眺めさせては、その飢えた俺の顔を見てゲラゲラと笑っていた。
「その目つきが気に食わないんだよ」
腹や尻をつねったり、蹴りを入れたり、背中を菜箸で突いてたくさんの痣を作り「水玉模様、きも~い」といって笑った。
たまに、あいつらが何日も帰らない日があった。
汚ねえ家の中に、食料も何もない日が何日も続いたが、昼は給食で腹を満たし、学校のない日や夜は砂糖水や塩をなめて、時には腐りかけたパン粉を口に押し込んで水で胃に流し込み、飢えをしのいだ。
空腹はきつかったが、それよりも、あいつらのいない、あいつらクズの腐った臭いがしない、一人で過ごす空間は、天国だった。
俺をいたぶるのが好きだった。
まだ力も抵抗もできない無力な俺を、風呂場の水に頭ごと突っ込んで沈めて、意識が飛ぶ寸前に水から頭を持ち上げると、酸素を求めて必死に生にしがみつこうと息をする俺を見て笑ってた。
あいつらは「水責めの刑」といっていた。
食事を与えずに、自分たちの食事風景を側で眺めさせては、その飢えた俺の顔を見てゲラゲラと笑っていた。
「その目つきが気に食わないんだよ」
腹や尻をつねったり、蹴りを入れたり、背中を菜箸で突いてたくさんの痣を作り「水玉模様、きも~い」といって笑った。
たまに、あいつらが何日も帰らない日があった。
汚ねえ家の中に、食料も何もない日が何日も続いたが、昼は給食で腹を満たし、学校のない日や夜は砂糖水や塩をなめて、時には腐りかけたパン粉を口に押し込んで水で胃に流し込み、飢えをしのいだ。
空腹はきつかったが、それよりも、あいつらのいない、あいつらクズの腐った臭いがしない、一人で過ごす空間は、天国だった。
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