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ギムレット

第17章 アイ・オーブナー  運命の出会い

10歳の時の美術の時間に「家族を描いてください」と先生が言った。


俺は、真っ赤な血の海のような背景に、真っ黒な顔のない棒人間の二人を描いた。


当時の俺が、なぜそんな絵を描いたのかは覚えていないが、10歳の俺が考えられるSOSを、誰かに発信したかったのかもしれない。


でも先生は、俺の描いた絵を見て、クズな親を呼び出して言ったそうだ。


「私に何かできることがあれば相談してください」と……


俺は「馬鹿な先公がそう言ってたよ」とクズに聞かされた時に思った。


先生、その言葉は、こいつらに言うセリフじゃない。俺に言うセリフなんじゃないの?



俺はその夜、死を目の当たりにするほどの「水責めの刑」を受けた。



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