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ギムレット

第20章 スプリッツァー  真実(シュウ編)


俺を殴りつけるその男は見知らぬ男だった。

艶のない肩まで伸びたムラのある茶髪の髪に、顔はどす黒く薄汚れ、こけた頬の肌が影のように茶色く、耳にはピアス、中指にはシルバーのドクロのリング、シワだらけのTシャツにジーンズ。顔年齢は30歳をゆうに超えているようなのに、まるで10代の若者のようないでたちだった。


男は俺に平手打ちをした後に、部屋の隅に放り投げてわき腹を蹴り上げた。俺は突然の恐怖と、あまりの痛みで、既に動くことさえできなくなっていた。

男は祖父に向かって


「金はどこだっ!!!さっさと出せっ!!!」


そう何度も喚いた。


部屋中の引き出しを引っ張り出して、手に取れるものを祖父に投げつけ破壊した。

祖父は既に意識を失ってしまっているようで、ピクリとも動かなくなっていた。

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