
ギムレット
第20章 スプリッツァー 真実(シュウ編)
12歳の俺にとって、残酷な一日だった。今朝までは平凡な祖父との幸せな生活。
そして今は、全く動かなくなった祖父の姿への驚きと恐怖と、初めて知る殴られた体の痛みの恐怖
そして…「会ってみたい」そう思っていた父親への、俺の想像の中で育てていた理想の父親像が…大きく崩れ去り、この薄汚い鬼畜ヤローが自分の父親だと知った現実への恐怖。
そして、何も打開できずに、ただただうずくまっているだけで、この先、祖父と自分がどうなるのか?
恐怖で動けず、声も出せず、何もできない無力な自分を呪った瞬間でもあった。
