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ギムレット

第7章 エッグノッグ  守護

季節は夏に入るというのに、私は風邪を引いてしまった。

夏風邪は体にキツイ。

体調のキツイ日などは、客との同伴出勤も控えて、出勤すること自体が億劫になる前に、早めに出勤しようと家を出た。



「また、無視」


ビルのエレベーターを待っていたら、拗ねたタクの声が背後から聞こえてきた。


なんとなく、視線を合わせづらかった。


タクの顔を今は……正面から見れない。


「少し……風邪気味で、寒気がして」


そう言い、その場をやり過ごそうとしたら、私のおでこにそっと触れて



「ちょっとだけ時間ある?今うちの店、誰もいないから」

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