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ギムレット

第2章 オーロラ  偶然の出会い

「いらっしゃいませ、ようこそカサブランカへ」


私は 篠崎 恵。

神奈川県の横浜市からかなり外れた、ちっぽけな町だけれども、夜になるとあちらこちらのビルを色とりどりのネオンが幻想的に照らす繁華街のビルの中にある

「カサブランカ」

というクラブで、源氏名 メグ として働いている。


カサブランカは、東京銀座などと比べたら、ちっぽけなクラブだが、この町ではナンバー2の売り上げと客層を誇る老舗のクラブだ。


ホステスは常に20人程が交代で出勤し、年齢も容姿も様々で20代から40代前半までの女性。男性スタッフは、店長とフロアマネージャー、他にウェイターの大学生のアルバイトが交代で毎日2名と、キッチンスタッフが2名。経営者は50代の男性だが滅多に店には顔を出さない。経営のほとんどをママと店長に任せていた。


私はこの店の売り上げナンバー2。


身長165㎝ 体重は48㎏。この店に勤め始めて1年。

今年の4月で22歳になった。

大人っぽい顔つきは子供の頃からで、良い意味でいえば落ち着いている雰囲気は私の育った家庭環境からくる性格なのだろう。

悪い意味でいえば、全てに冷めているのかもしれない。


10代後半の頃から、年齢も25歳以上に見られることが多かった。


目はくっきりとした二重だが、鼻は高くも低くもなく、私の自慢と言ったら腰まで伸びた真っ黒い艶やかなストレートヘアと細身の体に似つかわしくないDカップのバスト。


そしていつも客に言われるのは、儚い笑顔が好きだ。

ということくらい。




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