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ギムレット

第2章 オーロラ  偶然の出会い

愛情と会話のない貧困に喘ぐ家庭環境で育ち、小中高の学生生活も苦痛以外で特に何の思い出もない。

ただ、生きていくために、そしてあの家を早く出たいがために、家出同然で夜の世界に飛び込み、寮のあるキャバクラを転々としながらお金を貯めてアパートを借りた。


寮のあるキャバクラでは、複数人の相部屋のため、私には若いホステス同士の会話や賑やかな共同生活は向いていなかった。


私にとって、唯一あのくだらない親が存在したことに感謝したのは、アパートを借りるときの保証人欄に名前を記入できたことだけだ。


私の親は家出同然で私が3月の高校卒業と同時の18歳で姿を消しても、捜索願など出すこともない人だった。


私は生まれた時から、誰にも愛されていなかった。


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