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ギムレット

第7章 エッグノッグ  守護

「 ハイ 」


そう言って私の目の前に1杯のカクテルを差しだした。



「これは?」


「ホットカクテル、エッグノッグ」



タクの出してくれたカクテルは、牛乳と卵を使用したやさしい味のホットカクテル、エッグノッグ。ミルクセーキのような甘い味に、ダークラムとブランデーのアルコールがアクセントになっていた。



「美味しい。体が温まる」

「良かった」



優しい微笑。



お願いだから、今はそういう顔で私を見ないで。



タクはカウンター内から出て、私の左隣の席に腰かけた。

しばらくの間、会話もなく沈黙の時間が流れる。





「メグ、ごめん……」


カウンターに両肘をついて、首をうなだれて言う。


「俺、あんまり付き合うとか……慣れてないから」



タクは、うなだれていた顔を起こして、頬杖をついた顔を私に向けてから、右手を私の頭に伸ばして髪に優しく触れた。その顔が、どこか悲しそうに映った。



「だから……寂しい思いさせてたら……ごめん」



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