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ギムレット

第8章 ホワイト・ルシアン 愛しさ

あなたの心は未だに全く読めないのに……

その言葉一つ一つに安心できるものなんて何もないのに……



なのに……



「このカクテル、ホワイト・ルシアンのカクテル言葉って知ってる?」


私が「分からない」と首を横に振ると



「愛しさ。だよ」



今度は少年のように頬を染めて微笑むあなたに、私まで少女のようにときめいてしまう。



あなたの言葉に、あなたの言葉一つに、鼓動が高まる。


肉体だけを求めて抱き合っていた頃とは違って……

今のあなたの表情が、その柔らかい、そして優しい表情が……


私の心を侵食していく。




──やっぱり、あなたが好き



また、私の好きなあなたのキスが、私を包み込む。



あなたに触れられたい。

あなたも同じように思ってくれているの?

それとも、これも全て、あなたのゲームの序章なの?

私をあなたに溺れさせていく……

そして、他の誰かにも、同じこと……してるの?



聞けたらいいのに……


言葉に出して、聞いてしまえば、そこで全てが解決するのに……



なのに、聞けない……



私はもう、心もあなたに溺れかかっているのかもしれない。


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