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ギムレット

第9章 カカオフィズ  恋する胸の痛み

「そいつ、何してる人?」


私が言い難そうにしていると「ちょっとだけ教えて」そう言われ……


「う、うん。うちのお店の上の階のパブで……働いて……る」


シュウは、ちょっと驚いたような顔にをして


「ん?上の階のパブって、ブルーラグーン?」

「あっ……う、うん」私は頷いた。



彼は、一瞬だけ怪訝そうな顔をして、私から目をそらして横を向いた。



「シュウ、ブルーラグーン知ってるの?」



私の問いに、何か考えているような、心ここにあらずのような様子で「あっ、ああ」と言った後、彼はいつも通りの顔に戻った。



「昔、行ったことあったかな」そう言ってニコッと笑った。





でも……この私の軽率な発言が


この後、私たち3人の運命を変え傷つけていくとは……


この時には思いもしなかった。


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