ギムレット
第10章 スティンガー 危険な香り
相手の落ち着き払った態度に、面白い、という顔をしてシュウは言った。
「今日、試したい」
一瞬、素の顔をのぞかせて、眉間にしわを寄せながら「今日?」と相手に警戒した態度で答える。
「俺の身元はハルが保証してくれるよ。それに、身元は顧客データで全て把握されてる。スティンガーで馬鹿なこと考える客は……いない」
詳しいですね。そう言った後に「あんた、何者?」と怪訝な顔つきで問い返す。
ははは……ただの客。と笑った後に「単刀直入に聞くよ。君への会費はいくら?」と聞き返す。
タクは、右手の人さじ指を1本にして相手に見せた。
「1本ね(10万)。流石、契約制クラスだ。いいよ、今日付き合ってくれたら……」
「会費は、倍……出す」
スティンガーでは、法の網をくぐり抜けるために、全ての金のやり取りを会費という言葉にすることになっていた。いわゆるスポンサー契約のような形をとっている。
「いいよ。ただ、仕事は深夜までだから、先に行って待ってて」
「今日、試したい」
一瞬、素の顔をのぞかせて、眉間にしわを寄せながら「今日?」と相手に警戒した態度で答える。
「俺の身元はハルが保証してくれるよ。それに、身元は顧客データで全て把握されてる。スティンガーで馬鹿なこと考える客は……いない」
詳しいですね。そう言った後に「あんた、何者?」と怪訝な顔つきで問い返す。
ははは……ただの客。と笑った後に「単刀直入に聞くよ。君への会費はいくら?」と聞き返す。
タクは、右手の人さじ指を1本にして相手に見せた。
「1本ね(10万)。流石、契約制クラスだ。いいよ、今日付き合ってくれたら……」
「会費は、倍……出す」
スティンガーでは、法の網をくぐり抜けるために、全ての金のやり取りを会費という言葉にすることになっていた。いわゆるスポンサー契約のような形をとっている。
「いいよ。ただ、仕事は深夜までだから、先に行って待ってて」