テキストサイズ

ギムレット

第11章 *ホワイト・スパイダー 恋の罠

「今日は、もうこれで終わりでいいや」


シュウはソファーから立ち上がってスーツのジャケットを羽織った。


タクは、怪訝な顔をして「金は返せないぜ」と伝える。


ああ、それは分かってる。というジャスチャーをしてから


「でっ、どうなの?……俺は合格?」




二人が顔を見合わせ視線が合う。タクは真剣な面持ちで言った。


「俺は契約制だ。金額は1回1本(10万)」

「了解」

「月に2回以上の指名は受け付けない」

「分かった」

「アナルはやらない」

「それでいいよ」

「咥えるときは、セーファー(ゴム付き)でしかしない」


シュウが少し唖然とした顔で言い放った。

「徹底してんな」


タクは視線をそらし、冷めた顔で言い放つ。


「それでも……客には困ってない」




相手の態度をみて、追い込みをかけるように、シュウは少し毒のある厭らしい言い方をした。


「じゃあ、客の女は舐めないのか?」



「関係ないだろっ!」と語気を強め、怒りのこもった声でタクは言い返したが、相手の悪意ある言葉に対して、嫌悪の感情を露にしてから、シュウの目を見据えて答えた。


「舐めない」



その言葉を聞いて、意味ありげに含み笑いを浮かべた。


「お前、いいよ。気に入った」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ