ギムレット
第2章 オーロラ 偶然の出会い
タクは23歳。身長は174㎝くらいだろうか。
まるで雑味のない日本酒のような色白の肌、髪はやや茶色みかかった柔らかそうな猫毛で毛先にくせがある。
もみあげを男性というよりも中性的な男性を思わせるように細長く整え、やや細身のボディだが、白いTシャツからみえる腕の筋肉は男らしく、そして体毛が薄い。
細く長い指先は爪が綺麗に短く整えられ、美しかった。
顔のラインも顎が綺麗な三角で、アゴ髭をはやしたらさぞかし美しいラインを描くだろう。
弧を描くような色の薄めの眉に、目は奥二重で強調しすぎないが、眼のふちを長いまつげが覆っている。
鼻筋も女性のようにすっとしていて、特に魅力的なのが美しい歯並びと白い歯、そして柔らかそうなピンク色の唇が印象的だ。
彼には何度か源氏で会っていた。見かけるたびに、その美しい容姿に興味がわいたが、こんなに間近で顔を見るのは初めてだった。
彼の問いに何も答えずにいると、自分を見る視線を感じたのか「えっ?」という表情で私の方に顔を向けた。
間近で見る正面の顔は、また更に中性的で美しかった。
「綺麗な顔ね」
私がそう言うと、彼はドキッとしたような表情を一瞬してから、白い肌の頬を赤く染めた。
「君だって……」
照れくさそうにボソッと言う彼に、「ありがとう」そう言って私は焼酎のレモン割のグラスに目を向けた。
彼は何か言いたそうだったが、程なくトイレに行っていた三田村が戻ってきた。