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ギムレット

第14章 ライラ  今、君を想う

尚樹は萌々の頭を撫でながら「じゃあ300万、追加で借金上乗せしとく。ソープで働いて、早くこの業界から自由になれるように頑張って返済していこうね」


尚樹は八代を呼んで萌々をソープの店に案内するように伝えた。


「じゃあ尚樹さん、お願いします」と依頼の件に念を押して萌々は八代と一緒に部屋を出て行った。




二人が部屋から出て行くと、尚樹は窓を開けて煙草に火をつけた。


「カサブランカの髪の長い女……あいつの……女?」


煙草の煙をゆっくりと空に向けて吐き出すと「マジかよ」と笑いながら空を見上げて言った。


「だいたいにして……あの人は何やってんだよ」


まぁ呑気なあの人らしいけど……そう言うと思い出し笑いをしながら、尚樹はもう一度、煙草の煙をゆっくりと空に向けて吐き出して呟いた。



「もしビンゴだったら……これは宿命か運命か……なあ……どっちだよ、天使くん」



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