じゃん・けん・ぽん!!
第13章 会長のヒ・ミ・ツ
「ううん、そうなんですけど――」
と晃仁は渋る。
「僕はその時は自由にしていたいんです。会長を守るために」
「え」
ふふ、と祐子は笑った。口元を片手で隠す。
「どういうこと」
笑っているとも恥ずかしがっているともしれない声で、裕子は尋ねる。
「僕がじゃんけんの選手になったとして、もし相手が何か工作をしてきたとしたら、対処が難しくなります。もし、負けてもいいなら僕が選手になりますけど・・・・・・」
「それは駄目!」
祐子はすかさず否定した。よほどあの手紙を見られたくないのだろう。
「うん、わかった。それなら私が選手になるから、絶対に敵の工作は阻んでよね」
「任せてください」
「それと、絶対に私が勝つように計らってよね」
「それも、任せてください」
晃仁は両目を瞑って澄まし顔をつくると、拳を握って胸へあてた。いかにも得意げといった表情だ。
そんな晃仁の姿に、祐子は両手を胸の前で合わせて目をきらきらさせている。
――やっぱり下駄箱交換派に戻ろうかな。
ちょっとだけ、学はそう思った。
と晃仁は渋る。
「僕はその時は自由にしていたいんです。会長を守るために」
「え」
ふふ、と祐子は笑った。口元を片手で隠す。
「どういうこと」
笑っているとも恥ずかしがっているともしれない声で、裕子は尋ねる。
「僕がじゃんけんの選手になったとして、もし相手が何か工作をしてきたとしたら、対処が難しくなります。もし、負けてもいいなら僕が選手になりますけど・・・・・・」
「それは駄目!」
祐子はすかさず否定した。よほどあの手紙を見られたくないのだろう。
「うん、わかった。それなら私が選手になるから、絶対に敵の工作は阻んでよね」
「任せてください」
「それと、絶対に私が勝つように計らってよね」
「それも、任せてください」
晃仁は両目を瞑って澄まし顔をつくると、拳を握って胸へあてた。いかにも得意げといった表情だ。
そんな晃仁の姿に、祐子は両手を胸の前で合わせて目をきらきらさせている。
――やっぱり下駄箱交換派に戻ろうかな。
ちょっとだけ、学はそう思った。