じゃん・けん・ぽん!!
第14章 第1回戦
群衆がどっと沸いた。ヤレ会長は頭がいいだの、ソレあいつは馬鹿だの、いろんな声がごちゃ混ぜになってグラウンド中に響き渡る。
ふふ――。
大歓声の中、短い笑い声が健人の耳に届いた。
会長が笑みを浮かべていた。右目の長い睫毛が、一度だけぱちりと上下する。薄い桃色の唇は両端があがり、その間から綺麗な前歯が覗いている。まるで悪魔のように美しい笑顔だった。
「一本もらい」
裕子はひと言残すと、くるりと体を回転させて、健人に背中を向けた。長く伸ばした狐色の髪が、体の動きにつられてふわりと舞う。そのまま、裕子は台の上から去ってしまった。華奢な背中が遠ざかっていく。
――負けた。
遠ざかっていく裕子の背中を眺めながら、健人はぎりぎりと歯を喰いしばった。
ふふ――。
大歓声の中、短い笑い声が健人の耳に届いた。
会長が笑みを浮かべていた。右目の長い睫毛が、一度だけぱちりと上下する。薄い桃色の唇は両端があがり、その間から綺麗な前歯が覗いている。まるで悪魔のように美しい笑顔だった。
「一本もらい」
裕子はひと言残すと、くるりと体を回転させて、健人に背中を向けた。長く伸ばした狐色の髪が、体の動きにつられてふわりと舞う。そのまま、裕子は台の上から去ってしまった。華奢な背中が遠ざかっていく。
――負けた。
遠ざかっていく裕子の背中を眺めながら、健人はぎりぎりと歯を喰いしばった。