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さちこのブラック企業体験記

第1章 ブラックバイト

部長職の50代(←推定)男性が、一介の学生アルバイト相手に平謝りです。

「大変申し訳ございません」と。
「キャンセルを受け付けます、代わりの人間もこちらで探しますから」と。
「未払いの給料も、明日には、必ず振り込みます」と。
そのまま、仕事も辞めることになりました(電話口でのやり取りで、退職というか登録破棄で合意しました)

きっと、「証拠は残している」ってのと「出るとこ出ますか」ってのが効いたんだと思います。

証拠を残すとかそのあたりについては父親から助言を受けて、その指示に従ったことも匂わせました。社会経験の無い大学生が自分一人の判断で動いてるんじゃなくて、自分の親に相談済みでしっかりアドバイスも受けているよ、というのを見せたのです。…学生だと思って舐めてるみたいでしたから。

そして、翌日。朝イチで通帳記入しました。
バッチリ振り込まれていました。
金額の間違いもなく、きっちり全額。

…やれば、出来るじゃん。なんで最初からこれをやらないんだ。あ~ぁ、日給の設定だけは良かったのになぁ、勿体ない。

何とも言えない複雑な気持ちで通帳を眺め、まぁ、でも辞めて正解でしょ、と解放感に浸ったさちこなのでした。

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