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遠くの恋人より近くの同僚

第7章 苦し紛れのプロポーズ

「……本田」

「何です?五十嵐さん」


“凌馬くん”から“五十嵐さん”と
俺の呼び名が変わり
露骨な敬語を使われてから
三日が経過した。


今日こそ……今日こそは言ってやる。


「あのさ……」

「はい?何です?」


俺を見ようともしない。


「だからさ……」

「だから?何です?」


……言うぞ。


「顧客管理台帳……ありがとな」


これしきのことを言うのに
三日も費やすなんて。

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