テキストサイズ

遠くの恋人より近くの同僚

第22章 一方的な別れ

風呂から出ると一華に電話をする。


スマホを持っていない右手は
未央が力強く握っているが
それとは裏腹に不安げな表情。


「出ないな。あ…」


留守電に切り替わってしまった。


拍子抜けした俺の左手から
未央がスマホを取り上げた。


「凌馬くんと別れてくださいッ!!
お願いしますッ!!私に凌馬くんを
譲ってくださいッ!!お願いしますッ!!」


勝手にメッセージを残す未央。


怒りもしなければ、呆れることもない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ