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遠くの恋人より近くの同僚

第25章 噂の女上司

午後の得意先回りもハードで
ほぼ会話を持たずに社に戻った。


未央は泣きそうな顔をして
パソコンと向き合っていた。


そんな未央に風間課長は声を掛ける。


「時間内に終わらないのは能力が足りない
証拠。無駄な賃金を払えるほど静岡支店には
余裕がない。残業なんてしなくていいから
帰りなさい」


容赦無く、叱咤しているようにも窺えるが
俺には気遣いに見えた。


未央は底無しの頑張り屋で努力家。


放っておいたら深夜まで居残るだろう。


そんな未央を風間課長は見抜いている。


予め部下の素行を
下調べしていたのかもしれないが。


いずれにしても評判ほど
悪い人では無さそうだ。

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