テキストサイズ

遠くの恋人より近くの同僚

第1章 『好き』と言えずに……

「それ……聞く?」


こんな質問をする私は……最低だわ。


凌馬に告白する勇気が無かった
他の女子社員たちと一緒。


……ぅぅん、それ以下かも。


「凌馬……ごめん。のぼせそうだから
先に出るね」


この気まずい空気感から
一刻も早く逃げ出したくて
先ずはバスタブから出ようとする。


「そんなわけあるか。
かなり温めの湯なんだから」


そんな言葉で引き留められる。


どうせなら、別の言葉で
引き留めてほしかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ