
彼の愛は重い鎖のようで、
第1章 恋人以上恋人未満
「……そりゃ俺も男ですし。」
「ま、まじか……!」
「なにその意外そうな顔?」
「いや、だってだってそういう目で私のこと見れるんだなって……。」
タンクトップの中に入れられた手はピタリと止まり、私の言葉を待っている一輝。
「ちょっと、びっくりして……。私本当に一輝のこと友達だと思ってたから。」
「……。」
約10年間の付き合いの私たち。
今までそんな雰囲気にだってならなかったし、何よりそんな目で私を見ることが出来る一輝が全く知らない人のように感じた。
