
彼の愛は重い鎖のようで、
第2章 友達の定義
一輝は後ろ手でカチャリと扉の鍵を閉めると、こちらにゆっくりと近付いてきた。
「いっ…き??」
「どうだと思う??」
今の彼の雰囲気は近づいたら壊れてしまいそうで。
彼が足を踏み入れた分だけ私も後ろに後退していく。
「一輝、これ以上こっちに来ないで。」
「はは。乃亜すっごい震えてんじゃん。……怖いの?」
「こ、怖くない!!」
笑い混じりに挑発され、カッとなりつい大きな声が出てしまう。
彼の圧におされ、じりじりと彼との距離を取っていると、とうとう壁が背中に触れた。
