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林檎の香りがするお店

第1章 どしゃぶり雨が惹き寄せた

『はい、どーぞ』

ブラックで良かった?と尋ねるその人に大丈夫と伝えながら胸元を見ると

【大野 智】の名前

「ありがとうございます」

受け取ったコーヒーは冷たい指をそっと温めた

『髪濡れちゃってんね。おいで』

言われるがままに鏡の前に座ると、用意されるドライヤー

「そんな、大丈夫ですから」
私の言葉に、んー。とうなった大野さんは

へらっと口元を緩めて
『ただの職業病だから、俺にやらせて。』

ね?と首を傾げた表情に、わかりました。と答えてしまっていた

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