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林間学校

第3章 雨

みんなに勃っているのが見つからないように新しい薪を用意しようとして翔太は股間を木にぶつけてしまった。

勃起している時にぶつけたりするとダメージはかなり大きいし、死ぬ程に痛い。

痛み苦しみに必死に堪えながら翔太はおバカなことを考えたり女子をエロ目線で見たりした罰が当たったと思っていた。

「お~っ、痛ぇ~、チンチンぶつけた~」

お調子者の男子が木にチンチンをぶつけたと騒ぎだした。何やってるんだとかバカだとか一斉に大爆笑が起こった。

きっとヤツも女子に欲情して勃ったのを誤魔化そうとして罰が当たったのだろう。
それにしてもあんなふうにおちゃらけることができるのは羨ましいと翔太は思った。

自分なんて人知れず痛みや苦しみに堪えるしかないというのに・・

キャンプの時のカレーは格別に美味しい。
ママちゃんのカレー、給食のカレー、蕎麦屋さんのカレーと美味しくて大好きなカレーはいっぱいあるけど、キャンプのカレーはなんでこんなに格別なんだろう?

女子が料理をしてくれたから?みんなで作ってみんなで食べるから?空気も美味しい自然の中で食べるから?・・全部正解なのだと思う。

肉や野菜・・いろんなものがカレールーの中でお互いにもっと美味しくなるように共演してこれまた炊きたてで美味しい御飯と一体になってカレーライスという芸術作品を完成させるようにいろんな美味しくなるようなナイスな要素が共演してキャンプの晩御飯はカレーライスという芸術的なワンシーンを完成させているのだろう。

食べ終わるとみんなで協力して後片付けをして夕食の時間は終わる。

夕食の時間が終わるとキャンプファイアーの時間だ。

校長先生が火の神様に扮して、今日は途中雨もあったがみんなの心掛けのおかげで星がキレイなよい天気になったとか、この林間学校では今日の晩御飯やオリエンテーリングのようにみんなが力を合わせて行う作業がいっぱいだから友情を育んでほしいとかの挨拶をする。

そして生徒会役員が生徒を代表して点火をする。

轟々と燃え盛るキャンプファイアーを前に♪いつまでめ絶えることなく友達でいよう♪や「若者たち」などを合唱する。

歌いながら翔太はチラリと綾音を見ていつまでも友達じゃいやだなと思ったが、下手に行動を起こせば友達でさえもいられなくなるから友達でもいいかと自分に言い聞かせた。

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