テキストサイズ

林間学校

第2章 女子にドキドキ

前座余興的にカラオケ大会の前にやることが多いんだけど、今回も貞子に不景気な顔をしていると悪い霊気が増える一方なのでパアっと楽しくいってみようと言われて自虐漫談を始めたのだった。

みんなは美樹との自虐ネタを楽しみにしているので比呂志が自虐漫談をする時には必ずそれをやるのが暗黙の決まりとなっていた。

ヒロシです、寝言で告白してしまい、そのコには一生口を利いてもらえないことになりました💦

ヒロシです、小学生の頃にフルチンで着替えてたのですが、好きな女子に汚いモノと軽蔑されました💦

ヒロシです、好きな女子にエロガンがバレて、もうとりつく島もありません💦

ヒロシです、ヒロシです・・

ヒロシの自虐漫談は大ウケにウケて、担任の女性教師も、バスガイドさんも大爆笑している。

運転手まで大爆笑しているので、ちゃんと前見て運転しろよ、事故を起こすんじゃないぞと心配になってしまう。

ヒロシの好きな女子である美樹は超不機嫌そうな顔をしているが、そんな美樹の様子を見て貞子は超楽しそうにしている。

やはり比呂志のことが好きで、この様子から美樹が比呂志になびく脈は絶対にないと思って楽しそうにしているのだろう。

笑いを取りながらも比呂志は寂しそうで、まさに自虐キャラといった雰囲気だ。

それにしても寝言でみんなに好きな女子を知られてしまったうえに失恋までしてしまうとは居眠りって恐ろしいものだと思う。

それを教訓に翔太は居眠りなんて絶対にしないと心に誓っている。
こうして綾音の近くに座っていられるのは幸せなことだと思うし、この幸せはなくしたくない。

ヒロシの自虐漫談も終わってカラオケ大会が始まった。次々に最近のヒット曲が流れて、好きな歌が出るとマイクを持っていない人も一緒に歌い出したりしてバスの中は盛り上がる。

あんまり歌うのは得意ではないのに翔太にも歌の順番が回ってきた。気が進まないので拒否しようとしたが、翔太が歌わないと悪い霊気がやってくると貞子がオカルティックに脅してきたこともあって歌からは逃れられない雰囲気になってきた。

翔太は意を決して昭和のラブソングを歌った。
この曲は綾音が大好きな昭和歌謡のカバーを得意とするアイドルさんがよく歌う曲で綾音も大好きな曲だ。

音楽特番で御本人の歌も聴いたことがあるが、そのアイドルさんの歌の方が巧いと思える程の実力である。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ