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先生の秘密

第4章 ◎反撃

それに何も言わなくてもカップで頼んでくれる和樹。
あたしは食べるのが遅いから、ゆっくり食べられるようにいつもカップを選ぶんだけど、それもちゃんとわかってくれてる。
なんだか…
「至れり尽くせりだ…」
食べながらそうつぶやく。
「なんだそら(笑)でもそうかもな、俺はここに至れり尽くせりだな」
「えっ!聞こえてたの!?うわ~」
和樹は楽しそうに笑っている。
「俺、ここの笑顔が1番好きなんだよ。」
急にそんなことを言うもんだから、あたしはすくって口元に持っていこうとしていたアイスをボタッと落としてしまった。
「うわ、きったねー」
「…もう、」
「だからかもな…」
まだ話し続ける和樹。
「お前の笑顔が見たいんだよ。まぁ泣き顔とか怒った顔も好きだけどさ、やっぱりずっと笑っててほしい。」
今どきこんなことを言う高校生はいるのだろうか…
「…ちょっとっ…ほんとに照れる」
「どうしたら笑ってくれるかなって、いつもそんなことばっか考えて、だから至れり尽くせりなのかもな(笑) まぁいろんな表情みせてくれるから嬉しいけど」
「もう和樹っ…熱あるんじゃないの?」
どう返せば
いいのかわかんなくて、可愛げないあたし。

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