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高校生だってムラムラする。

第4章 噴出


 そのうちに、酸欠かそれとも快感に酔ってしまったのかは分からないが私はぼんやりとして体の力が抜けてきてしまった。学校でキスを交わしたときよりも、もう二、三段上に押し上げられている気分だ。

「ね……も、もう……」

 そのとき、唯一意識の残った場所がひくひくと訴える。覚えのある感覚だった。私は頭の片隅で戸惑いながら、それを受け入れようと手元の黒崎のシャツを握り締める。

 あ……うそ……

 快感に浸りきって、ぴくぴくっと小さく腰が揺れた。軽く達してしまったのを他人事のように認識する。

「千秋……?」

 くたりと脱力して唇を離した私を訝しく思ったのだろう。彼は濡れた唇のままこちらの顔を覗き込んだ。

「大丈夫か?」
「ごめ……気持ち、よくて」

 室内は冷房が効いているが、頬は熱く全身が汗ばんでいるのが自分でも分かった。

「力、入んないの」

 思考が上手くまとまらず、そう答えるのが精一杯だった。

「……え、あ、そ、そうか」

 黒崎は言葉を詰まらせ、またもや真っ赤になった。顔を赤らめるのが好きなようだ、と霞がかかった頭で考える。

「なあ……このあと、その、してもいいか? つまり、あの……続けるっていう意味で……。もちろん、嫌なら無理することは……」

 凛々しい眉を八の字にして、すがるような声音で彼は言った。
 女の子になんてことを聞くのか。そんな、あからさまに聞かないで欲しい。嫌ならとっくに素振りを見せているのに。
 この、彼の痛々しいほどの優しさが心の底から好きなのだ。

 私はなにも答えずに、着ていたサマーニットのベストをためらうことなく脱いだ。彼は面食らい、制止しようと口を開く。

「おい、何して」

 私がブラウスのボタンを外し始めると、彼の視線は私の手元に釘付けになった。
 恥ずかしさは気持ちよさへと昇華されていった。彼になら、どんな姿を見られても平気。そんな風に思えた。

「……誠」

 初めて彼の下の名前を口に出した。照れ臭さで顔の熱さを思い出す。
 彼は耐えかねたように顔をぐっと近付ける。そのまま唇同士が合わさって、じわりと興奮が高まった。

「俺が、するから」

 私の指に節の張った手を重ねて、代わりにブラウスを開かせてゆく。


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