あたしの好きな人
第1章 会社の部下
ラブホテルからこっそり、逃げるように帰って、バスルームで体の体液を洗い流して反省する。
酔って途中で記憶を無くすなんて有り得ない、このあたしが、しかも会社の部下に。
やっぱり飲み過ぎたのかな?
バスルームを出て、長めのTシャツにパンツだけの格好で、ベッドの上で体を投げ出した。
休日だからこのまま寝てしまおうと、そのまま目を閉じた。
すぐに眠りの世界に引き込まれて、身を任せるように、体が沈んでいく感覚に陥った。
哲に触れられた感触が、まだ生々しく残り、ぞくりとしてしまう。
……そんなに好きでもないのに、快楽に身を任せてしまうなんて。
欲求不満なんだろうか?
自己嫌悪に陥り、訳もなく、涙が零れた。
あたしはいったい、何をやってるんだろう。
そのまま、意識は落ちていった……。