地味に甘い君
第18章 お互いの就活事情
「そんな顔を向けられても――――残念なことに…何も感じないよ?」
「は?…よく分かりませんが…」
――――何を言ってるんだ?この人は…
俺が納得のいかない顔をしているのに…何故に呆れた顔をこの人にされないといけないのだろう…
曽根さんは俺に纏めたレポートを広げながら「ん?」と再び目を輝かせた。
「あの~…俺はただのバイトですよ?」
「バイトでも、私たちの仲間だと思っているんだけど…私はおかしな事を言っているかな?」
――――おかしな事って…この人なんなんだ?
「あの~…「社長――――ここにいましたか」
俺の声に被せて聞こえてきた少し怒りのこもった呆れたような呼びかけに「え?」と、振り替えると、そこには――――…
赤羽のマンションで出会った凛とした姿の“フリーセキュリティ株式会社”の秘書だと言う……曽根…さん?