地味に甘い君
第22章 それぞれの就活②
――――――――…
「で?――――ちゃんと面接は出来たの?」
「…多分」
「多分って――――…純弥さんは面接に立ち会わなかったの?」
俺は今日の報告と反省を赤羽にするためにマンションに来ていた。
晩御飯を作る赤羽はなんだか楽しそうにパスタを茹でている。
「人事部が面接官だった…」
「へ~そうなんだ…僕の所は…社長が面接したよ?――――出来立ての小さな事務所だから…無理もないけど」
赤羽も今日、自らアポを取った建築事務所の面接だったらしく…俺との規模の差に驚いていた。
“フリーセキュリティ株式会社”は大手も大手…
今日の面接だけでも50人~80人はいた…
今日の面接で30人ぐらいに絞られる…
「最終面接まで残れる気がしない…」
「厳しそう?」
「分からん……そう言う赤羽は?手応えは?」