地味に甘い君
第22章 それぞれの就活②
どのくらい…布団の上でボーッとしていただろう…
カーテンも閉めていない部屋には夜の光が部屋に入ってきた。
街頭の灯り…
近所の家庭の灯り…
車の灯り――――…
曇りだろうか…空からの灯りは感じられず…
冷たい部屋には雑音すら…なかった。
――――次…探さないと…
次…
カチャ…
暗く静かな部屋に…響く玄関の鍵の開く音に…
俺は目線だけを向けた。
――――…そうか…赤羽は…合鍵…持ってたんだった…
玄関の開く音と共に…誰かが入ってくる…
「――――ヤマト…君?」
「――――赤羽…」
ホッとしたような…
会いたくないような…
でも――――…気まずさが…俺を包む。