地味に甘い君
第26章 うるさい季節
~赤羽side~
4月に入り――――…
大学4年の春を迎えた。
「いいなぁ~…尚宏は決まったんだろ?内定?来年の春まで遊びまくりじゃん!」
「そうだよ~、だから就活は早めにした方が良いって言ったじゃんか~」
僕は“オフィス陣ヶ岡”から見事に内定を頂いた!
しかし…四月の入社までに…たんまりと宿題を出されているとも知らずに…周りの奴らは羨ましがる。
「彼女とも上手く行ってるんだろ?幸せだよなぁ~!」
誠の言葉に周りの女の子達の目がギロリと変わった!
「つ~かぁ~、彼女さんって誰?本当に実態が掴めないから…嘘じゃないの?」
僕が恋人の存在を公にしないばっかりに…“いないんじゃないか説”が最近は広まっていて…
再び女の子たちが近寄ってきている。