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地味に甘い君

第29章 不穏の足音…


「大学最後の休みだしさ!爺さんの別荘でゆっくりしない?」


――――流石…”フリーセキュリティ株式“の会長…別荘は持ってて当たり前ですか?


金持ち――――…だよな…やっぱり赤羽つて…


住む世界が違う――――…



「少しなら…バイトもあるし…赤羽は”オフィス陣ヶ岡“の社員研修もあるだろ?」


「研修は…休みの最初だけだから…大丈夫!そっかぁ…バイトかぁ…相変わらず仕事人間ですね?」



――――…貧乏暇なし…なんだよ…



「でも、お盆は休みを取ろうと思ってたから…」



「え!?珍しい――――…実家に帰る予定でもしてた?」



――――別に帰るつもりは無いが…なんとなく…



「実家には帰らない――――…遠いし…ほら、俺だって人が休みの時ぐらい…休みたい…って…だけだよ」



赤羽は「そういうもの?」と不思議そうに俺の顔を覗くと笑った。



「///そ、そう言う…もんだよ…」



じめじめした季節だが赤羽の笑顔は相変わらず爽やかでムカついた…


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