地味に甘い君
第30章 繋いだその手を…
~赤羽side~
何度…ヤマト君に連絡しても通じない――――…
バイトが終わった時間帯に連絡をしたが…その日は返事がなかった。
「疲れてるのかな?…最近…顔色悪かったし…」
天候のせいか…最近のヤマト君はテンションが低い。
毎日、曇りや雨じゃぁ…気がめいるもの分かる…
「ニュースで梅雨時に体調を崩すと厄介だって…言ってたからなぁ…」
僕は、ソファに座りスマホとにらめっこしていた。
「ねぇ~!尚宏?トリートメント無いの?」
「ごめん!僕使わないから」
「いいわねぇ…あんたの髪はトリートメント無しでもそんなに艶々フワフワで…」
今日いきなり来た上の姉ちゃんがシャワーを浴びながらトリートメントが無いのかとぼやき始めた。
さっき買い物をしにコンビニに行ってきたんだから…その時一緒に買って来ればよかったんだよ。
「でも、あっちと違って日本は落ち着くわ…父さんと母さんもたまにはこっちに来ればいいのに」
「二人とも忙しいんだろ?それにWebデザイナーなんて…パソコンがあればどこでも仕事が出来るんだから、場所は何処でもいいって事なんじゃない?」
姉ちゃんは長い髪をタオルで拭きながら下着姿で部屋をうろつく。