地味に甘い君
第31章 孤独の落とし穴
手紙を見た日から――――…俺のモヤモヤは消えずに残り…
大学に進学が決まったとたんに…
再婚の話が持ち上がった。
俺の中で――――完結した。
「そう言う…ことか」
俺は、1人取り残された実家で
“そう言う事”の成り行きを見届けた――――。
ただ…父さんや再婚相手からの拒絶は予想外だったが…
手紙の内容からして――――…
父さんの作る新しい家族の中に俺は含まれていなかった…
俺は…どこへも行けず…
その場で孤独を食べて生きるしかなかった。
大学進学で…上京できて……
少しは生きやすくなるかと思ったが…
地味な見た目や性格は…簡単には直せない。
結局――――…
俺は孤独から逃げることはできなかった。
ただ――――…父さんの家族からは…逃げることは出来た。