地味に甘い君
第35章 君が奪われていく…
――――なんでだろう…
腑に落ちない…
チラッと見ると――――…ヤマト君は壁を見つめたまま…動かない。
寝ているのか…ただ、ほうけているだけなのかも…定かではない。
――――どうして…ここまで…虐げられなきゃいけないんだ!
ふと、ヤマト君のスマホが視界に入った。
「………ヤマト君――――夜食でも買ってくるね…待ってて」
僕は、サイドテーブルに財布と時計と一緒に置かれたヤマト君のスマホを手に取り…部屋を出た。
――――ごめん…ヤマト君、ちょっと借りるね。