地味に甘い君
第35章 君が奪われていく…
ホテルに着くと――――…
ヤマト君はベッドに静かに横になった。
声をかけたいのに…なんて言って良いのかが分からない…
ヤマト君がどんどん削られていき…
今にも消えそう――――…そう思うのに…僕は何も言えなくて…
自分がどれだけ無力かなのかを…思い知らされた。
家族ってなんなんだろう――――…
僕の家族はバラバラに住んでいるが…やっぱり何処かで繋がっていて…
信じているし…少なからず僕も…信じてもらっていると…
感じている。
なのに――――ヤマト君のお父さんには…
全く…そう言う…家族の絆や信頼…愛情を感じられない…