地味に甘い君
第36章 裏切りの真実
~赤羽side~
僕は部屋を出ると、ヤマト君のスマホから…彼の父親の連絡先を探した。
着信や発信から探そうとしたけど――――…
「…マジで?」
着信も発信も…一年以上されてはおらず…
メールが一件…
それも、ヤマト君から
“就職決まりました”
だけの…短い文面だけ…
しかも、それに対しての父親からの返信は…見当たらなかった。
僕は、扉の向こうにいるヤマト君の背中を思うと…悔しさと腹立たしさが同時に渦巻いて叫びたくなった!
僕は…グッとその衝動を押さえながら――――…
ヤマト君の父親の携帯番号をタップした。
――――…――――…
――――…「もしもし…ヤマトか?」
何度目かのコールでやっと出た。
「どうした?――――珍しいな…」
「こんばんは…――――…どうも、ヤマト君のお父さんですか?」
沈黙が続き…
「誰だ?」
と、雑な答えが返ってきた。