地味に甘い君
第36章 裏切りの真実
「はじめまして…大学でヤマト君と友達になりました。赤羽と申します…
少し――――…会って話をしたいのですが…今から会えますか?」
「は…?こんな時間帯にか?見ず知らずのヤツに会いにノコノコ行くわけないだろ?しかも、ヤマトの携帯から…何かの詐欺とかか?」
うろたえるのは想定外だ…ほとんど連絡をしない息子からの電話…しかも、しゃべっているのは知らない男だ…
「ヤマト君のお母さんのお墓参りに来たんです――――…」
「ぅ…巴…の?墓…参り?」
ガタガタっと――――…立ち上がった音が聞こえた…
「――――――――ヤマト…が…来ているのか?」
「はい――――…でも、色々と知って…」
「会いに…って、ヤマトと来るのか?ここへ…待ってくれ、ここには――――…」
「ヤマト君は今、ホテルで休んでます…
色々と知って――――…ショックだったはずです…動かなくなりました…」
「――――そうか…」
ヤマト君のお父さんはため息を着くと…「で?」と、続けた。