地味に甘い君
第36章 裏切りの真実
少し迷ったが――――…その喫茶店に着いた。
こじんまりとした喫茶店だったが、目立つ看板で助かった。
店にはいると――――…すでにいた店内の客が全員僕を見てビックリした。
流石……珍しい客層なのか…僕を見た客は全員歳が上の…年配者だ。
そこの中から――――…仕事帰りの…スーツの男性を見つける…
「あ――――…」
僕を見ていた客の中に――――…その人物はいた。
「内田さんですか?――――どうも、赤羽です」
その人に近づくと…「君が――――珍しいヤマトの友達?」と、凄く怪訝そうな顔をした。
「はい――――…どうして、そんなこと聞くんですか?僕じゃ…不満ですか?」
「いや――――…逆だよ…ヤマトに…こんな、華やかな子が…友達とか……やっぱり…何かの間違え――――…金は…ないよ?」
僕は――――“金”というか言葉にピクリと眉を動かす。
「ヤマトに何を言われた?金…なんて、1円も出すきはない!何かトラブルに巻き込まれているのなら――――…我が家は無関係だ!」
ザワッと背中に寒気がした――――…
「心配は…しないんですね…。ちょっと…ムカつきます」
「は?――――なんなんだ君は!」
「ヤマト君の…友達です。
ヤマト君が、就職の報告をするために…実家の東北に帰ると聞いて――――…便乗した…金には困ってない同級生です」
“金には困っていない”と言うフレーズが父親をホッとさせたのか、彼は先に頼んでいた珈琲を口に運ぶ。