
地味に甘い君
第36章 裏切りの真実
「――――お客様!喧嘩は!」
店員が僕たちを制止にくると、彼は焦ったように「違います!」と、鼻血をハンカチで押さえた!
「ええ――――これは、喧嘩じゃないですよね?!貴方の…愚かな考えが生んだ天罰だ!」
僕の怒鳴り声に、喫茶店の中は騒然とした!
ヤマト君のお父さんは周りの目が気になったのか、一万円をマスターに突きだし店を出ていった!
僕は、そのあとに続くと…彼を追いかけた!
「話はまだ、終わってない!!
そんなに人目が気になるんですか!?
だったら、自分は悪くないって、警察に行きましょうか?
一方的に殴られたと、主張してください!僕はなぜ殴ったかを、説明しますから!」
「そっ、それは――――…」
彼は鼻血をハンカチで押さえながら焦りだした!
それもそのはず――――…警察沙汰になれば…自分がヤマト君にしてきた事が…少なからず周りにバレてしまう…
「――――…“どこまで…裏切れば…罪悪感が出てくるか…”でしたか?
で、答えは…出たんですか?
多分――――出ないでしょうね…
貴方には…一生…その罪悪感は芽生えない……だって――――…あなたは…自分が一番だから…
自分が幸せなら――――…巴さんもヤマト君も裏切ることを躊躇わない。でしょ?」
彼の話は―――…
「自分は悪くない」
が全面に出ていた――――…胸くその悪い話だった!
