
地味に甘い君
第36章 裏切りの真実
「ぼ――――…僕…」
「聞いた?俺が…父さんに愛されていない理由を…」
僕は驚き目を見開いた――――…
ヤマト君は…知っていた…?
なぜ…父親から虐げられているか…
なぜ――――…
「俺は――――…とっくの昔に知っていた…自分が原因だって…事は…」
「違う!違う――――…!アイツは…アイツは…」
「でも――――…全部は知らないから…
赤羽が…父さんから聞いたことを…俺に…教えてくれないか?
でないと――――…俺は…あの人から解放されない」
――――解放…
そうだ――――…僕は全てを受け入れる…
そう決めたんだった…
僕を無条件で受け入れた…ヤマト君のように…
僕は背に隠した手をヤマト君の前に差し出した――――…
僕が…ヤマト君を解放してあげよう――――…
