
地味に甘い君
第36章 裏切りの真実
歩いて――――…
ホテルの前に来ると…
入り口で誰かが立っていた――――…
駅前のホテルとは言え…
暗い夜…ロビーの明かりに背を照らされたその人は僕の存在に気がつき…こちらを見ていた…
「――――ヤマト…君?」
シルエットからヤマト君だと…僕は思った。
そして、ヤマト君の影はロビーの光に照らされた僕の顔を見て…こちらに歩いてきた…
逆光でヤマト君の表情が分からない――――…
「赤羽…――――父さんに会ってきたの?」
僕はビクッと体を固まらせた…
すると、僕の右手をそっと持ち上げ――――…クスッと笑った…
「もしかして……殴った?バカだな…内定取り消しになるぞ?」
僕はハッとその手を自分の背に隠した!
